洗濯物干し場や子どもの遊び場、家族団らんの場など、幅広く使えるウッドデッキ。しかし、いざ設置してみると大きさが合わずに後悔するケースがあります。
この記事は、ウッドデッキのサイズで後悔する理由や、サイズの選び方で失敗してしまったときの対応方法などを紹介するので、新築にウッドデッキを設置する際の参考にしてください。
ウッドデッキの大きさで後悔する理由
ウッドデッキのサイズで後悔する場合、大きすぎてしまったパターンと小さすぎてしまったパターンの大きく二つに分かれます。
ここでは、ウッドデッキの大きさで起こりやすい失敗の具体的な理由をお伝えするので、一つずつチェックしていきましょう。
大きすぎて庭が狭く感じる
大きいウッドデッキを設置したために、庭が狭くなったように感じることがあります。ウッドデッキのせいで庭の中を移動しにくくなってしまい、動線が悪くなったというケースも少なくありません。
少し動線が悪くなっただけで、庭の手入れもしにくくなり、ストレスになることもあるでしょう。
特に、庭でガーデニングや家庭菜園をするなど、空間を有効活用したい場合は、ウッドデッキと庭のバランスに注意が必要です。
大きすぎて下部の草取りができない
ウッドデッキを広くしすぎると、デッキの下に生えた雑草に苦労する場合があります。
ウッドデッキは床面が付いているので、ある程度日光は避けられますが、隙間から光が入るため、どうしても雑草が生えてしまいます。
床面が広いと中央部分には手が届かず、下に潜り込まなければならない場合もあるでしょう。温かい季節は雑草がすぐ伸びるので手入れが面倒に感じてしまうこともあるかもしれません。
大きすぎて費用がかさむ
ウッドデッキが大きいために、メンテナンス費用がかさんで後悔する可能性も考慮しなければなりません。
天然木製のウッドデッキは、紫外線や風雨の影響で劣化していきます。変色のほか、腐食、カビの発生、表面の汚れなどによる品質劣化でウッドデッキの寿命を縮めてしまうこともあります。
このようなことを防ぐために、ウッドデッキは定期的な塗装が必要です。デッキが広いとその分塗料を使うので、メンテナンス費用がかかり、負担になることもあるでしょう。
大きすぎて室外機・立水栓が設置できない
ウッドデッキを大きくしすぎたためにエアコンの室外機や立水栓などの住宅設備が適切な場所に置けなくなるケースがあります。
室外機も立水栓も使用するためには設備の前にある程度のスペースが必要なので、狭くても設置できれば良いというわけではありません。
場合によっては室外機を遠くに置かなければならず、配管が長くなり、工事費用が高くなることもあるでしょう。
また、立水栓をウッドデッキから離れた場所に設置することになり、子どものプールの準備に時間や手間がかかる可能性もあります。
小さすぎてバーベキューやプールができない
庭のスペースや予算の都合でウッドデッキを小さくしたために、せっかくの庭でのレジャーを楽しめない、という場合もあります。
ウッドデッキが小さすぎてプールが乗せられなかったり、バーベキューコンロを置いたらスペースがいっぱいになってしまったりして、結局あまり使わなくなってしまったということも。
バーベキューは火を使うので小さすぎるウッドデッキで行うのは危険です。また、スペースが狭いと子どもが落下する危険性があるので十分注意しなければなりません。
小さすぎて洗濯物や布団を干しにくい
ウッドデッキが小さすぎると洗濯物を干すスペースとして不足する場合があります。特に布団を干したいと考えている場合、思うように干せないこともあるでしょう。
このような場合、結局洗濯物はほかの場所で干すことになったり、家族全員分の布団を数日に分けて干したりして、手間になってしまいます。
ウッドデッキで洗濯物を干したい場合は、失敗を防ぐためにも十分なスペースを確保できているか、事前にしっかりと確認しておきましょう。
小さすぎて解放感が半減してくつろげない
本来、ウッドデッキは開放感を得られるものですが、小さすぎるために思うような開放感を得られず、くつろぎ空間にはならなかった、というケースがあります。
特に庭が狭い場合、プライバシー確保のために目隠しのパーテーションを設置したことが原因で、圧迫感を覚えることもあるでしょう。
しかし一方で、リビングが狭い家の場合は、小さなウッドデッキでもリビングからのつながりが生まれ、室内が広く見えるようになります。
あくまでも室内からの視覚的効果を得たいなら小さいウッドデッキでも設置すると効果的です。
ウッドデッキの大きさで後悔しない考慮すべきポイント
ウッドデッキのサイズは出幅、間口、高さで決まりますが、どのようにすればサイズの失敗を防げるのでしょうか。
適切なサイズのウッドデッキを設置するには、あらかじめ以下で紹介するポイントを一つずつチェックしておきましょう。
置く場所や家の大きさに合うサイズを考える
ウッドデッキで失敗しないためには、設置場所を慎重に選び、その場所に合ったデッキを置くことが大切です。
一般的にウッドデッキはリビングの掃き出し窓から庭に出られるように設置します。そのため、リビング前の庭の大きさに合わせてサイズを選ぶと失敗を防げます。
リビング以外では、台所の勝手口に設置するケースや、建物から離して独立したウッドデッキを設置するケースもあるので、スペースに合った大きさのウッドデッキを設置すると良いでしょう。
庭全体のレイアウトと動線を考慮する
ウッドデッキを設置するときは、あらかじめ庭全体の設備の位置関係と使い勝手をシミュレーションしておきましょう。
エクステリアは全体のバランスが美観を左右します。広いウッドデッキが良いからといって、庭のほとんどのスペースを占領するようなものを置くと、圧迫感のある庭になってしまいます。
敷地全体を見たときのバランスと、住む人が庭を使うときの動線を考えてサイズを決めると、おしゃれなだけでなく快適なエクステリアが完成するはずです。
使う目的と頻度を明確にする
ウッドデッキのサイズで後悔しないためには、使う目的と頻度を明確にしてから決めることが大切です。
ウッドデッキは家庭により使い方が大きく異なります。毎日の洗濯物干し用に使いたい場合もあれば、アウトドアが好きで休日にバーベキューをしたいという家庭もあるでしょう。
使う頻度が少なければ、サイズに不満があっても少し我慢して使用できますが、頻度が多いとストレスになります。
ウッドデッキを設置したらどのように使うのか、具体的にイメージしてみると良いですよ。
季節や日当たりを確認する
一般的にウッドデッキは日当たりの良い場所に設置するので、設置場所の日当たりは事前に確認しておきましょう。
日当たりが悪くジメジメした環境ではハードウッドや人工木などの木材を使った素材は、虫やカビの温床になってしまうため注意が必要です。
とはいえ、直射日光が当たりすぎると夏は暑すぎて過ごせない場合があります。樹脂製のウッドデッキは高温になり、素足では上を歩けません。
設置場所を決めるときは直射日光が強く当たる場所は避けるか、屋根やシェードを付けて日差し対策をしておきましょう。
予算に応じた設計をする
ウッドデッキを設置する際は予算も重要です。メーカーにもよりますが、一般的にウッドデッキはサイズが大きくなるにつれて価格が高くなっていきます。
多くの場合、予算を抑えたために小さすぎるウッドデッキになり、使い勝手が悪くなってしまいます。
ウッドデッキの施工費用は1㎡あたり3万円前後が相場です。これに屋根や手すり、フェンスなどのオプションを追加するとその分費用がかかります。
外構工事業者に相談しながら、必要なオプションを取捨選択して設計すると、予算内で希望のウッドデッキに近づけるでしょう。
理想的なウッドデッキの用途別サイズとは?
では、理想的なウッドデッキのサイズはどれくらいなのでしょうか。
ここでは、用途別に最適なサイズを紹介するので、ウッドデッキをどのように使いたいかを考えながら、ベストな大きさを比較・検討してください。
洗濯物を干すスペース
ウッドデッキで洗濯物を干したい場合、360cm×180cm以上の大きさがおすすめです。特に出幅は、120cm以上を確保すると便利です。
「出幅」とは建物と垂直方向の長さ、つまり奥行きのことをいいます。一方、建物と平行方向の長さは「間口」です。
物干しアームは外壁から50~60cm外側に出るため、出幅90cmのウッドデッキだと立つスペースがなく、家の内側から洗濯物を干すことになります。
出幅が120cmあれば、自分が外に出て歩けるスペースがあるため、スムーズに動けるでしょう。
子どもの遊び場
ウッドデッキを子どもの遊び場にしたい場合は、プール遊びを基準に考えると、270cm×210cm以上がおすすめです。
保育園や幼稚園に通う年齢の子どもが2人で入れるプールは直径約120cmです。子どもがプールのまわりを走り回ったり、大人が外から一緒に遊んだりできるように、プールの周辺は70cm以上のスペースは確保しておいた方が良いでしょう。
また、子どもの成長に合わせてプールも大きくなることを想定して、ウッドデッキも余裕のあるサイズにしておくと安心です。
バーベキューやパーティー
バーベキューやホームパーティーを行う場合、家族4~5人で使うなら250cm×350cm (6畳)程度、2家族7~8人で使うなら400cm×350cm(8畳)程度あると理想的です。
大きなスペースが取れない場合は、コンロは庭の地面に置き、ウッドデッキは飲食するスペースとして利用すると良いでしょう。
ウッドデッキでのバーベキューは、ホットプレートを使う手軽な方法もあり、ホットプレートなら比較的狭いスペースでも楽しめます。
家族での食事や団らんのスペース
ウッドデッキにテーブルと椅子を置いて家族でのんびりと過ごしたいなら270cm×180cm以上のウッドデッキがおすすめです。椅子に座っていても人が後ろを通れる程度のスペースは確保しておいた方が良いでしょう。
テーブルではなく、レジャーシートを敷いて、ミニピクニックを楽しむ場合は、もう少し小さなウッドデッキでも問題ありません。
ウッドデッキでどのようなランチやティータイムを希望しているのかを明確にしてから決めると失敗を防げます。
ウッドデッキの大きさで後悔したときの対処法
ウッドデッキのサイズが合わずに失敗してしまったときは、以下のような方法で対応できます。
大きすぎの場合も小さすぎの場合も対処法があるので、諦めずに居心地の良いウッドデッキに改善してください。
大きすぎた場合
ウッドデッキが大きすぎる場合は、小さいものに交換するほかに、ウッドデッキをカットして縮小する方法があります。
一度ウッドデッキを解体し、サイズを小さくしたものを再度組み立てて完成させます。
既存のウッドデッキをカットし加工する方法であれば、イメージ通りのサイズとデザインに仕上がり、使い勝手も良くなるでしょう。
切ったウッドデッキは処分費用がかかるため、ウッドデッキに上がるためのステップなどを作って有効活用すると、処分費用を節約できます。
小さすぎた場合
ウッドデッキが小さすぎる場合は、ウッドデッキを後付けすると解決できます。スペースに余裕がある場合は、既存のウッドデッキに段差を設ける段床にすると立体感のあるおしゃれなエクステリアに変身できるでしょう。
なお、ウッドデッキを追加する際は、DIYで置くだけのデッキはあまりおすすめできません。
置くだけタイプは地面に固定されていないため安全性が十分に確保できません。ウッドデッキを広げたい場合は、外構工事の専門業者に依頼するようにしましょう。
ウッドデッキに関するよくある質問
ウッドデッキを設置しようと計画していると、さまざまな疑問が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
ここでは、ウッドデッキに関する代表的な質問とその回答を紹介するので、工事を依頼する際の参考にしてください。
ウッドデッキを後付けすると固定資産税は?
ウッドデッキは屋根や周壁があるかないかで固定資産税の課税対象になるかどうかが変わります。
ウッドデッキに屋根や周壁がない場合、「家屋」の条件を満たさないため、固定資産税の課税対象とみなされる可能性は低いでしょう。
一方、屋根や周壁があるウッドデッキは固定資産税の課税対象とみなされる可能性が高くなります。
ウッドデッキが課税対象になるかどうかは自治体ごとに異なります。詳しくは自宅がある自治体に問い合わせるようにしましょう。
ウッドデッキの代わりにコンクリートテラスはあり?
コンクリートテラスをウッドデッキの代わりに設置するのもおすすめです。
コンクリートテラスにすると、耐久性が高く掃除が簡単なだけでなく、モダンな仕上がりになります。アルミフェンスや砂利、タイルなど、さまざまな種類の外構素材ともマッチしやすいため、まとまりを出すのも簡単です。
注意点は夏場に直射日光に当たると高温になり、素足で歩くのは危険なことです。一方で天然木のウッドデッキは、コンクリートほどは熱くなることはないでしょう。
まとめ
ウッドデッキはサイズに関する失敗が多く、大きすぎても小さすぎても使い勝手が悪くなってしまいます。
設置したウッドデッキが思い描いていたものと大きく違い、結局あまり使うことがなくなってしまったということを回避するためにも、用途と必要なサイズの目安を確認しておきましょう。
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